4月29日の日記

2006年4月29日 日常
雨が降りそうな曇り空なのになんでこんなに明るいのだろうか。
紫色の空を見上げて空繰 夕雲はそう思った。
とたんにばらばらと大粒の雨が降ってくる。
それでも夕雲は空を見ていた。じっと空を見詰めていた。
けれど眼に異質の物が入ってくるのが嫌になった。

(入らなくするには、眼を閉じればいい)

パチリと大きな眼を伏せて、彼女は眼を閉じて空を見詰めた。

彼女には朝霧と云う姉がいた。
いた、と云う表現を使っているのだから今はいない。
正確には、いたと聞かされている。
朝霧と夕雲は双子だった。
しかし朝霧の方は早くして死んでしまった。
それも親と思われる人間から聞かされていた事だ。
夕雲は理解していた。
けれど腑に落ちない事が一つだけあった。
夕雲の左側、腰の部分に何か大きな手術の痕がある事。
恐らくコレは、

「『片割れの夕暮れ』」

ザァァァァァァァァ
雨の降り頻る中、夕暮れの雲は遭わざるべくして出会ってしまった。

「此の世で恐らく一番美しい形のシャム畸形の姉妹。
 それを引き裂いてしまった愚かな人間に制裁を加えたのは僕なんだよ」

黄色のレインコートと黄色の傘。

「僕の名前は /////

黄色に紅が散る。
夕雲の手には大きな鉛色の鋏が握られていた。
それは的確に黄色の少年の喉を掻き切っていた。

「パパを殺したのはアナタなのね」

雨で付いた返り血が流れる。

「パパを殺したのはアナタなのでしょう」

「そうだよ」

夕雲はハ、として後ろを向く。
立っているのは黄色の少年。
口元がニヤニヤと意地の悪い笑みで歪んでいた。

「僕の名前は亜尾屋 黄乃。雨人間の亜尾屋 黄乃だよ」

黄乃は傘を夕雲の喉に当てる。

「痛かったよ、凄く。でもね効かない。僕は雨人間だから」

夕雲の唇から息が漏れた。
そして夕霧は考えた。
(眼の前で哂っている少年は何者なのだろう。)
(雨人間とは何なのだろう。)
そして、
(何故、朝霧と私が分離させられた事を知っているのだろう)
その疑問を解く為には・・・、

夕雲はゆっくりと眼を閉じた。
同じ様にゆっくりと息を吐く。
眼を開いて、黄乃を視た。
けれどぼやける。

「駄目だよ駄目駄目。僕は僕を視させない」

傘を掲げて雨人間亜尾屋 黄乃は嗤った。

+++
読み辛い名前を付けるのが最近のブームらしい
からくり ゆうぐも と あおや きいの
途中でオッサンにパソコンを奪われたので書き方を忘れた
夕立が降っていたことから出てきた
朝焼けの霧と夕暮れの雲はシャムで生まれてきて分かれて朝霧は死んで父は殺された
ヴァー

朝っぱらから200頁読破した所為か頭が変だった
勿論今も
でも素敵文章サイト見つけたからテンションは低いけど気分はいいっぽい

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