5月29日の日記

その動きは無意識のものだった。
でなければ何らかの動きはあっただろう。
けれどその太刀筋には躊躇いがなかった。
獲物を狩らんとする獣の様に一撃で仕留める為の。

ごぷり

喉の奥から血が溢れてくる。
横目で後ろをみると刀を下げて呆然と立ち尽くしている姿が見えた。
咳を我慢し自嘲気味に笑う。
背に生暖かい何かが流れる感触。
ぼたぼたと落ちてくる雫が顔と髪を濡らした。
何故泣くのだと声を出そうとしたらただ息だけがひゅうと漏れた。
我慢していた咳がでるてくる。
彼の服を汚した。
声が遠くの方で聞こえてくるみたいだ。
もう長くはないのかもしれない。
否、もう長くはないのだ。

もう指一本動かすのも億劫だったがどうしても空が見たかった。
ゆっくりと、仰向けになる。
彼の泣き顔が見えた。
どうしようもない。
自分はもう何をしてやることもできない。
無理矢理声をだすが、それは酷く擦れていた。
言葉を紡いでにっこりと笑ってみせた。
それでも彼の顔は泣いたままで。
けれど必死で笑い顔を作ろうとしていた。
それは滑稽ででもとても優しい笑みだ。
もう一度微笑んで静かに眼を閉じた。

ああ、自分は上手く笑えていただろうか。

心残りは二つ。
彼の事ともう一つは彼女の事。
何処にいるのだろうか。
何をしているのだろうか。
彼女は今幸せだろうか。
でも、もう自分には関係の無い事だ。

こんな死に方も悪く無いでも心残りがあるのが無念ああ最後まで見守れたらよかったのにと軽く道化の様に嘆いてみせた。
＋＋＋
身代わりに死ぬってのが好き
こう自然にあくまでもナチュラルに
保護者と加害者は敵対してるけど被害者はどちらにも友好的だったってのが
庇うとは思ってなかったんだ〜系かな

一週間ぶり
暇はあったがなんとなくだ
そうなんとなく
人間試験を買ったので次には人間ノックが欲しい