5月31日の日記

2006年5月31日 日常
「君が、いーちゃんかい?」

黒だ。
影ではなく黒。影になれない黒。
絶対な、黒。
異質な筈の存在はそんな事を匂わせる事なく。
まるでそれが普通であるかのように其処に立っていた。

「初めまして戯言遣い。」

青みがかったサングラスを外し、絶対な黒は男前に微笑んだ。

今いるここは、立ち話もなんだからそこらの店に入ろうと黒に誘われて入った店だ。
平日の真昼間だと云うのに学生らしき人影が多くあった。
ぼくの前に座っている彼女はコーヒーの入ったカップを片手に優雅と云う言葉が似合っている。

「話と云うのは何でもないのだ。否、何もない、か。ただ真紅から君の事を聞いてね」

柔らかく微笑んで一口、コーヒーを啜る。
真紅、と云うのは哀川さんの事に間違いないだろう。(寧ろ哀川さんしか思いつかない。)

「程好く腐った魚の眼をしている事が特徴で、そのほかに何の特徴も無い事が特徴なんて中々鬱蒼と矛盾しているじゃないか」

一層に笑みを濃くする黒。

「俺は好きだよ、矛盾も、君のそんな眼も。大好きだ。愛してる。
 そうだ。君は誰かに似ていると思ったら俺の兄弟に似ているんだ。腑に落ちたよ。」

饒舌に話す彼女の姿が、途轍もなく失礼千万。
謝って謝って謝り倒してもまだ足らない位なのだがあの緑色の白の害悪な細菌とダブった。

「・・・えっと、西院さん?」
「一色でいい。苗字で呼ばれるとこそばゆいのだよ」
「じゃあ、一色さん」
「何だい、いーちゃん?」

うふふ、と笑う。よく笑う人だなと思う。

「何故、ぼくに関わろうと云う気になったんですか」

一瞬。たったの一瞬だけだけれど表情が消える。
ちょっとしたついでだよついで。と再び綺麗に笑った彼女。
その裏には何かあるような気がしたけれど怖くて聞く気になれなかった。

君と関わらなきゃ物語に入れないとそんな事を云ったら自分が此処の住民じゃない事がばれてしまうじゃないか。
なんて鈍感。なんて鋭い。
自分の敵にできている狐さんが心底羨ましいと思ってみた。
矛盾である自分が矛盾である彼を敵に回せるなんて素敵でなんて最高なのだろうか。

この物語に勝者はいない。
いるのは敗者だけ。
いるのは弱者だけ。
いるのは強者だけ。
いるのは怯者だけ。
いるのは愚者だけ。
いるのは死者だけ。
もしくは戯け者。
願わくは果報者。
愛すべきは矛盾。
憎むべきは自分。
愛好すべきは生。
嫌悪すべきは死。
望むべきは殺人。
願うべきは終焉。
矛盾だらけの物語へ。
全ては終幕へと続く。

さあ、喜劇の始まりだ。
そして悲劇の幕開けだ。
開幕のベルはもう鳴った。
観客の拍手の音が疎らに聞こえる。
我が人生、一世一代の晴れ舞台。
どうぞ最後までお付き合い下さい。

+++
矛盾症候群
プロットなんかそっちのけで書いてるからよく解らない展開になる
そして継接ぎだらけなのだよ

テストが終わったので一安心
駄目だなぁと思うのだよ
眠い眠いごっさ眠い
今日は五時起きして残った宿題と丸付けをしていたんだ

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