12月31日の日記

「何、やってんすか」

「う、ん？」

覚醒したのか薄ら瞼を開けるが、すぐに閉じる。

散らかりに散らかった部屋。
その真ん中にはそんな部屋には似つかわしくない大きさのソファ。
ベットも兼ねているのかと思うほどの大きさだ。
実質兼ねているのだろう。
証拠に薄っぺらい掛け布団がかかっていた。

「寝ているんだよ」

目を瞑ったまま、部屋の主は言った。
ソファの背に脚・椅子に背中・頭は空間に、の状態のままで。

「さかさまじゃないすか」

よくそれで眠れますね、と言うと彼はあははと乾いた声で笑った。

「笑い事じゃないす」

と呟いて襟で顔下半分を隠す。
それで？と彼は言った。

「ぼくに何の用かな」

そう言いながら手は、投げ捨てられていた自分のサングラスを拾っていた。
便利だよな、と少しその腕を羨ましいと思った。
すると反対の手が伸びてきて、頭を掴まれる。考えがばれたんだ。
止めて下さいと言ってみたけれど止めるこの人じゃないと思って諦める。

「鳶羽さんが呼んでます」

手短に、用件を言う。

「それだけ？」

ハイ、と答えると不満げにサングラスをかけた。

瞳が隠れる。

頭から手が離れた。頭が軽くなる。

起き上がり、手早くコートを着る。
袖のない、コート。
裾が風もないのにひらりと舞うのを見て、ああやっぱりと思う。

「行くぞ」

そう言った彼。
ふわりと腕は浮かんだまま。

二の腕と手の空間が凄く綺麗だと、思った。

＋＋＋
幽霊(2)のメビウスとポチ(ハイエナ)のエルナ
鳶羽は闇烏
番外編バージョン
ヒー君はお面　タベは眼鏡　ハルは仮面　しょじゅは髪　エディはバンダナ　トリはヘルメ
で目隠し
ダイヤ組は別名目隠し組