1月12日の日記

2007年1月12日 日常
それは何の変哲も無い朝のはずだった。
気まぐれで冷静で、茶目っ気たっぷりな我等が主人は何を思ったか「女の子が見たい」と言ったのだった。

「――― それが何で、こんな事態になるんだ……」

頭を抱えて溜息を吐く。
目の前にはきらきらと微笑みながらスーツを着て立っている主人がいた。
長めの黒髪は頭の上の方で一つに縛り、それが似合っているのだから何ともいえない。

自分の方はと言うと――――黒のドレス。
首の周りのファーがふわふわと舞う。

(今なら、恥で死ねるッ!!)

なるべくでかい身体を小さく畳んで周りを見渡す。

主命令絶対主義。(紺のセーラー)
結構ノリノリ。(緑の和服)
諦めている。(赤のチャイナドレス)
どうでもいい。(ピンクのワンピース)
超ノリノリ。(青&銀のドレス)

(……勝てねぇ………勝てねぇよ)

一気に落ち込んだのだが、超いい笑顔の主人を見てまぁいいかと思った。

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