2月16日の日記

ひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどくひどく、

「あなたは、ざんこくですね」

そう言って、彼は歪んだ表情を浮かべた。

顔の筋肉に埃が被っていたのではないかと思う位に、
それはぎこちない、あまりにも歪んだ、歪み過ぎた笑みにもみたない何かだった。

哀しいのだろう。(嬉しいのだろう)
羨ましいのだろう。(憎らしいのだろう)
泣きたいのだろう。(喜びたいのだろう)
叫びたいのだろう。(喚きたいのだろう)

それでも彼は、そうできない。
そうする事ができないのだ。

＋

感情もなく、感動もなく、無関心を装い、人から心を閉ざして暮らせ。

「そう言われ、育った子供がまっとうな人間になったら、奇跡ですよ」

そう言って、矢張り何の表情も浮かべないまま彼はゆっくりとコーヒーを飲んだ。

彼の声は何の抑揚もないので、それが独り言なのか自分へと向けられた言葉なのかが分かり辛い。

私はその時彼の焼いたクッキー(シナモンクッキーだった)を食べようという最中だった。
が、それを止めて、けれど「食べないんですか」と彼が無表情に(おそらく不安気に)訊ねてきたので、「いや」と私は安心させるように微笑んでから口へとそれを運ぶ。

それまで、私は彼の事を深く知らなかった。
知れなかった、と言ってもいい。
彼は余り口数が多いほうではなく、それに感情が読み取れないので知る術がなかったのだ。
彼の語る事といったら、絵の事とお菓子の事。それから森での出来事だけだった。
彼が自分の過去を口に出すのはそれが、最初で最後だった。

私はそれだけで十分だと思った。
それだけで、私は彼から信じられているのだと思えたから。

＋＋＋
もう一人
人っ気のない森に住んでる子供嫌いでお菓子作りが趣味(ただし甘い物は嫌い)の絵描き
抑揚のない感情の篭ってない声に無表情(敬語調)
腕縛りの方の設定がまだあんまりできてないのに比べてこっちが確立してるのはやはり関わってくるキャラクターへの愛なのだと思います
別に愛が無いわけじゃないんだけど足りないだけ

『Gems The breaks』はget a break(幸運をつかむ)のもじりだと思うのですが
とすると『宝石をつかむ』ってニュアンスになるんだぜ
他にGive me a break(助けてくれ/勘弁してくれ)ってのも候補だったけど違うよな
因みにヒーロー初死に(おそらく)話の事です