3月22日の日記

2007年3月22日 日常
この腕が無ければいいのにと思った事がある。
けれどそれではこの腕で彼女を抱きしめる事ができないと思った。
でも、同時に彼女をこの手で殺す事もできなくなる。
それは酷く、酷い事だ。
彼女が其処にいるのに触れられないなんて。
地獄だろう。生き地獄だ。

だから僕は彼女に斬りつけられたとき、ようやく解放されると思った。
斬りつけられ刺され、それでも僕は彼女に殺されるならばと思った。

彼女は僕を殺したかった。僕も彼女を殺したかった。
彼女は僕を愛したかった。僕は彼女を愛していた。

だから殺したかったんだ、と結論付けて。

心を、奪い去った。

気が付いたら、彼女の心臓は僕の手の中にあって。

ああ、と僕は思った。
とうとうしてしまった。とうとうやってしまった。
ずっと知らない所で、自覚しつつも無自覚に、 抑え付けていた何か、を。

後ろを振り向くのが怖くて、(それでもみなければならない。)
受け入れなくてはいけない現実が、其処には転がっていた。

生暖かな拳大の物が僕の手の中でとくんと動いた。

「××××?」

彼女の名を呼びながら、振り向く。
無駄な事は、知っていた。

其処には、左胸を抉られて血塗れの彼女の姿があった。

僕の手の中にある物は何時の間にか冷たくなっていた。

(どこかで何かの崩れる音がきこえた。きっとそれは終わりではなく、始まりの)

+++
創作都市伝説ネタ
虚偽でしか語れない真実の愛をー
半分冗談です
展開が急

球技大会中らしい
胸キュン

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