「ぼくは『むじな』なんだよ」
何時もの形容し難い不思議な笑みを浮かべて彼は言った。
その身のふわりとした雰囲気にそぐわないの蛇の眼で、笑っている。
「むじな、とは小泉八雲……ラフカディオ・ハーンのですか」
ゆるりと彼は微笑んで頷く。しかし矢張りその眼は蛇。
「しかし彼方には目鼻口。とびきり整った顔がちゃんと揃っているではありませんか」
世辞はいらないよ、と彼は言った。
世辞ではありませんよ、と私は言った。
「『むじな』とは要するに誰でもあるんだ。それでいて無象である。『むじな』は『貉』ではなく『むじな』と言うものなのさ」
+++
誰か僕の近くに妖怪好きはいないか
妖怪好きは
何時もの形容し難い不思議な笑みを浮かべて彼は言った。
その身のふわりとした雰囲気にそぐわないの蛇の眼で、笑っている。
「むじな、とは小泉八雲……ラフカディオ・ハーンのですか」
ゆるりと彼は微笑んで頷く。しかし矢張りその眼は蛇。
「しかし彼方には目鼻口。とびきり整った顔がちゃんと揃っているではありませんか」
世辞はいらないよ、と彼は言った。
世辞ではありませんよ、と私は言った。
「『むじな』とは要するに誰でもあるんだ。それでいて無象である。『むじな』は『貉』ではなく『むじな』と言うものなのさ」
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誰か僕の近くに妖怪好きはいないか
妖怪好きは
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