「此処は、何処だァーッ!」
太陽の色を映した髪を揺らして、未発達な体躯の少年が叫んだ。それは叫んだと言うよりむしろ、獣の如くに吼えていたと表す方が正しいのではと思われるほどに。
あー、あー、あーと木々の間を木霊が駆け抜けていくのを聞いて、少年は満足気に上げていた両腕を下ろす。それと同時にその少年の隣にいた青年が耳から指を抜き自分の知覚補助具がずれるのも気にせず、熟練された動作で少年の明るい色の髪が生えた頭に、右の脚を軸にして左の踵を振り下ろした。履物を一応だが脱いでいたのは青年の微々たる優しさが現れている。
少年は尻尾を踏まれた猫のような声をあげ、頭を押さえながらしゃがみ込んだ。
「っるせぇんだよ、木瓜! 人の鼓膜ブチ破る気か!」
不機嫌を隠そうともせず、寧ろ前面に押し出しながら青年は言った。先程の少年ほどではなかったが中々に人の鼓膜をブチ破りそうな声ではあった。
「脳味噌飛び出るかと思った……」
ぐるる、と唸りながら、青年の踵落しから立ち直った少年が呟く。
「安心しろ。足加減はしておいた。それに、」 「それに?」
青年はその端正な顔を人類とはここまで顔を自在に歪ませられるものなのかと感心したくなるような表情で、言った。
「テメェのデケェばかりの頭から飛び出るような量の脳味噌は、存在しねぇ」
少年は青年の顔面めがけ、脚のバネで威力が格段に増している突きを繰り出した。そしてそれは青年の顔に直撃し二人の壮絶なる喧嘩が始まったのは言うまでもないことだった。
+++
次回作のつもりだったやつ
立ち行かなくてやめた
でも書きたい
太陽の色を映した髪を揺らして、未発達な体躯の少年が叫んだ。それは叫んだと言うよりむしろ、獣の如くに吼えていたと表す方が正しいのではと思われるほどに。
あー、あー、あーと木々の間を木霊が駆け抜けていくのを聞いて、少年は満足気に上げていた両腕を下ろす。それと同時にその少年の隣にいた青年が耳から指を抜き自分の知覚補助具がずれるのも気にせず、熟練された動作で少年の明るい色の髪が生えた頭に、右の脚を軸にして左の踵を振り下ろした。履物を一応だが脱いでいたのは青年の微々たる優しさが現れている。
少年は尻尾を踏まれた猫のような声をあげ、頭を押さえながらしゃがみ込んだ。
「っるせぇんだよ、木瓜! 人の鼓膜ブチ破る気か!」
不機嫌を隠そうともせず、寧ろ前面に押し出しながら青年は言った。先程の少年ほどではなかったが中々に人の鼓膜をブチ破りそうな声ではあった。
「脳味噌飛び出るかと思った……」
ぐるる、と唸りながら、青年の踵落しから立ち直った少年が呟く。
「安心しろ。足加減はしておいた。それに、」 「それに?」
青年はその端正な顔を人類とはここまで顔を自在に歪ませられるものなのかと感心したくなるような表情で、言った。
「テメェのデケェばかりの頭から飛び出るような量の脳味噌は、存在しねぇ」
少年は青年の顔面めがけ、脚のバネで威力が格段に増している突きを繰り出した。そしてそれは青年の顔に直撃し二人の壮絶なる喧嘩が始まったのは言うまでもないことだった。
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次回作のつもりだったやつ
立ち行かなくてやめた
でも書きたい
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