9月1日の日記

2007年9月1日 日常
何もかもが酷く形になってしまうこの人間に憑いたのは、ただ好みだったからに過ぎない。
そして、この人間の心の隙間と言うものを見てみたかった。
ただそれだけに過ぎなかったというのに。


――傍らに人無きが如し



「俺に、尽くせ」

はぁ?と思わず言ってしまった。
決まり文句である言葉に返ってきた答えがそれだったからだ。

「はぁ?じゃねぇよ。お前が、この俺に聞いたんだろう。『お前の望みを言え』と」

乱暴な言葉使い。そして憮然と寄せられた、美しい形の眉。
どれをとっても形になってしまう。

「だから俺に尽くせ。それが俺の望み。理解したか」

そう人間は言うと手を握りこんだ。
何をするつもりかと思ったら、その拳は砂状の俺へと打ち込まれた。

「俺が言ったら、返事しやがれボケ」

そして元の形に戻る前に蹴り飛ばされる。
返事をしようと思ってもできないんだよ!と叫びたかったが中々形が完成しない。

「さあ。YESかNOか」

そう言って人間は俺の顔をと合わせる様にしてしゃがみ込み、酷く美しく楽しそうな笑みを浮かべた。
勿論、最初から俺の答えは決まっていたが。
これはいまでも喋っていない。

答えを俺が口にした瞬間、人間は満足そうに微笑んだ。

「よし!」

それをみて、俺は。
否、一目見たときから。
この人間に、惚れた。

+++
綺麗なもの大好きややM気味いまじん
美人な傍若無人で人外大好き!S人間
人間の方がひどいやつだ!

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