9月15日の日記

2007年9月15日 日常
「んーほんとーにここいらへんなのー、てー君?」

その二人は異色と言ってはどうにも異色過ぎる二人組だった。

一人は何処か遠くの方を見ながらも何処も見えてはいないように、余り聞かない銘柄の煙草を吸っている男。
もう一人の方は、学ランを着たまだ幼さの残る少年だった。
学ランを着ていると言うことで辛うじて男とわかるほどの、もしかしたらただの一風変わった少女なのかもしれないが。
ただ男が『てー君』と呼んだのを聞く限りでの性別は男なのだろう。

「はい。僕の情報が正しければ、ここらにあることは間違いありません」

少年は普通の人間が通りかかったなら間違いなく惚れているだろう微笑を添えて言った。
しかし男はなんの感慨も無さそうに、遠くの方を見ながら手持ち無沙汰な左手を懐に突っ込む。
そして全くといっていいほど実用性のなさそうな、実用性があると言ってもそれは物騒な使い道しかないだろう大きさの、鋏を取り出した。
どうやら彼の懐には、その大鋏を収納する為のポケットがついているらしかった。
男はその大鋏をじゃきんと鳴らして、漸く面倒臭そうにではあるが少年の方を向いた。
ただ矢張り、何処か遠くを見ている眼は同じである。

「情報ってねー情報屋そこらの売り買いできる情報っしょー?」

信用できるもんなのかー、と妙に間延びしたそして抑揚のない声で少年へと投げかける。

「信用できますよ。何故なら僕のお友達がその情報屋なのですから。僕に嘘の情報なんて流す筈ありません」

にこり、と音が付加されそうな花のような笑顔で少年は言う。
男はそれを見ても矢張りなんの感情もなく、それどころか飽き飽きしていると言ったように溜息を吐いて口を開いた。
「たかが中学生に売ってくれる情報なんて――」「あ、大丈夫ですよ。情報屋の方もたかが中学生ですから」
たかが、の部分を強調して言った少年の顔は矢張り絶世の微笑だった。
それに信用ならねー、と続けようとした男の口から短くなった煙草が落ちたことと同時に男が周囲の空間ごと固まってしまったのも必然であった。
開いた口が塞がらないと言うのはこんなことを言うのだろうか。

「ありえねー」

男の中には色々なものが渦巻いていただろうが出てきた言葉は『ありえない』の一言のみだった。
それは中学生の情報屋がありえないのか。
それともその情報屋を信用してしまう少年がありえないのか。
それともその両方なのか。

「ありえますよ。情報屋とは何方かと言えば、名乗った者勝ちの職業ですし。仕事も結構、あるみたいですから信用できます」

なんと言ったって僕のお友達ですしね、と少年は少し照れくさそうにではあるがその年齢に相応しい笑みを浮かべた。
いやー若いっていいなー、と苦笑気味な男は新しい煙草を取り出すと唇に咥えた。

+++
中学生と殺人鬼
勿論中学生も殺人鬼ですなりきれてないけど
暫くちゃんとした文章を書いていなかったのでリハビリ紛いに
続かないよ多分
次のじゃないよ多分
そして矢張りどっか昔の創作を下敷きにしてあるという
殺人鬼はいいよね!素晴しいよね!書く分には
書く分には
実際いたら物凄い迷惑ですね☆
殺人鬼vs辻斬りをやってみたいんだけどそれって周囲の人間が死にまくるだけのような気がしないでもない
どうなんだろう

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