5月29日の日記

2008年5月29日
網膜に焼きつききったその色は、すべてが白に飲み込まれてしまいそうな今でも
鮮やかに俺に襲い掛かってくる。
今俺が確認できる色は周囲を多い尽くす白以外には唯一つ。
その赤だけだ。
深紅よりもなお赤いその赤はいったいどう形容すればいいのだろうか。
色を口頭で説明しようという俺が間違っているのか。
せめて何らかの形で表せればいいのだが生憎と俺は形をみるものを
今の俺は持ちあわせていない。
俺の眼が白で塗り潰されるその前の、あの一瞬の鮮やかな赤が、
俺には忘れられないのだ。
みたい。
と俺はもう二度と叶わないそれを思う。
もう二度とこの眼が物を見ることはない。
別に色だけがごちゃごちゃと散雑に塗り込められていた、
醜いだけの世界に未練はなかった。
ただあの赤い。赤い色がみたい。

俺はそれだけの欲望の為に生きていた。

+++
赤狂いの盲目男

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