4月18日の日記

2009年4月18日
「あいつは頭がおかしいのさ」と狂人はいった。

お前に言われる筋合いはないだろうと俺は思った。
だが俺も狂人の一人であったので、ただ無言でコーヒーを啜るにとどめた。
泥を煮詰めたような味だった。
ちなみに泥を煮詰めたものを飲んだことがあるか、といったらある。
昔、よく見知ったくそったれに無理矢理飲まされた。
その過去も今この現実をみると存外ましだったように思われるから不思議だ。……訂正、やはり過去というのはろくでもない。

「にしても」
男も同じようにカップの中身を口にしたのか、何の面白味のない造形の顔をしかめて「まずい」といった。
「砂糖をいれればいい」俺はいった。「ミルクも」
男はじろとこちらを睨んで、諦めたようにカップを置いた。
そのときにカップの中で揺れた泥水、すでにコーヒーだと認識していない、は机の上に零れ染みをつくった。
しかし男は気にする様子はまったくなく、しかたがないので俺が拭いた。拭いてやった。

「お前がいれてくれればいいんだよ」
まるで金色の髪の、あの男のようなわがままを告げるときの口調で鳶色の男はいった。
「俺は紅茶専門だ」豆なんか挽けねぇよ、とわざと乱雑な口調でいった。嘘ではなかった。金色の男は紅茶党なのだ。

男はきょん、とした顔で「おんなじようなものじゃないか」といった。いいくさった。
「ば…豆と茶葉だ。めちゃくちゃ違う」

馬鹿じゃないのかという言葉がでかけたがなんとかおさえつけた。

+++
苔色と鳶色 らみとさー(仮)
毎回こいつらどこにいるのって思いますがカフェや喫茶店やファミレスにいます

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