「僕はね、好きな人の腕の中で死にたいと思っているんです」
まるで怖い話でも語るかのような口調で、妙に澄んだ瞳の彼は言った。
へぇ、と興味なさ気に返事をしたが、彼は嬉しそうに「そうなんです」と笑った。
そこらの道の隅で咲いていそうな笑顔だった。
鉄錆の臭いが粘膜に張り付いて、吐きそうになる。今までこんなことはなかったのに。
彼は生きていた。確かに、致命傷を負っているはずなのだ。
それでも彼は「死ねない」と言って笑っていた。
右肩から袈裟懸けにばっさりと斬られたところからはぼたぼたと、その小さな細い身体にいったいどれほどの量の血液が流れているのだろうか、新しい血が零れている。
「だから、言ったでしょ」
腕が伸びてくる。ひぃと後ずさるけど、すぐに壁にぶつかった。
ぬらりとした手が頬に伸びて赤がつく。
彼は、異様な空気の中で、濁った瞳で、以前と同じように笑った。
「好きな人の腕の中じゃないと死ねないんです」
可憐だと思っていた花は、彼岸色に塗られた地獄の入り口の目印だった。
+++
坂岩が好きです日→坂→←岩だったらいいのになーとか思ってます
坂上くんはヤンデレだったらいいのにな覚醒覚醒
まるで怖い話でも語るかのような口調で、妙に澄んだ瞳の彼は言った。
へぇ、と興味なさ気に返事をしたが、彼は嬉しそうに「そうなんです」と笑った。
そこらの道の隅で咲いていそうな笑顔だった。
鉄錆の臭いが粘膜に張り付いて、吐きそうになる。今までこんなことはなかったのに。
彼は生きていた。確かに、致命傷を負っているはずなのだ。
それでも彼は「死ねない」と言って笑っていた。
右肩から袈裟懸けにばっさりと斬られたところからはぼたぼたと、その小さな細い身体にいったいどれほどの量の血液が流れているのだろうか、新しい血が零れている。
「だから、言ったでしょ」
腕が伸びてくる。ひぃと後ずさるけど、すぐに壁にぶつかった。
ぬらりとした手が頬に伸びて赤がつく。
彼は、異様な空気の中で、濁った瞳で、以前と同じように笑った。
「好きな人の腕の中じゃないと死ねないんです」
可憐だと思っていた花は、彼岸色に塗られた地獄の入り口の目印だった。
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坂岩が好きです日→坂→←岩だったらいいのになーとか思ってます
坂上くんはヤンデレだったらいいのにな覚醒覚醒
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