8月1日の日記

2009年8月1日 日常
いつだってあいつは頼れて、正しい答えに俺達を導いて、進むべき道を示してくれた。
だから、俺は忘れていた。
こいつは、歳不相応な落ち着き払った態度と異常に人に好かれやすいということを除けば、俺となんらかわりのない高校生だったんだ。どうして俺はそんな重要なことを忘れていたのだろうか、と頭を抱えて悩んだが最終的にある仮説に辿り着いた。それは、こいつが、隠していたからだ。俺に、俺達に、わからないように。思い出させないように。なんてことだろうか!結局俺達はこいつがいなければ何もできなかったんだ!自分で道を選んできたと思っていた。しかしそんなことはなく、あいつがそっと背中を押してくれていたんだ!

それなのに俺は!俺は!「責めるなよ」

気が付くと隣にはあいつが座っていて、「責めるなよ」ともう一度繰り返した。
「な、んで」声が震えている。視界が滲む。考えが纏まらなくて頭がごちゃごちゃする。

「お前は一人で道を選んできた」

俺は何もしちゃいないさ、と言って俺の頭の中を見透かしたように言った。

だから、お前はなんで、

「ヒーローは遅れて駆けつけるもんなんだぜ」と男は笑った。

バカヤロウと言った俺の、こいつのせいで弱くなってしまった涙腺は崩壊した。

+++
リリカルだから!リリカルだから!

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